| 読 書 感 想 文 | 1.「東京ドーム 奇跡のエアー作戦」 2.「カンナと十二支」 3.「DIVE !! 」 4.「走れメロス」 |
小学生の作文教室
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ぼくは、野球観戦のために数回東京ドームに行ったことがある。初めて目の 前で東京ドームを見た時、「大き〜い」と思った。ドームの中に入った時は「 広〜い!あの大きな屋根が空気でふくらんでいるなんて、すごいなあ!」と思 った。 『プロジェクトX挑戦者たち』という本の中に「東京ドーム 奇跡のエアー 作戦」という題のあるのを見つけて、興味をもったので読んでみた。 東京ドームのテントの素材はシィアフィル2というものだ。強度が高く、七 百度の熱に耐えられ、透光性がいい。でもアメリカから仕入れたシィアフィル 2のロール一本ごとに生地の伸び率がばらばらだった。太陽工業(テント2) の社員はできるだけ伸び率が似た生地を貼り合わせればしわにならないはずだ と考えて、何日も徹夜をして裁断図を作った。 建設会社竹中工務店の社員も大変な苦労があった。日照権の問題でドームの 屋根を斜めにしなくてはいけないこと、東京ドームより先に作ったドームの膜 屋根を空気でふくらませる途中、ケーブルとシィアフィル2の膜の一部をかみ 込んでしまい、途中で屋根がふくらまなくなってしまったこと等だ。 これらの問題を解決するために竹中工務店の社員はそのかみ込む所のビデオ をくり返しくり返し見て原因を突き止めていった。 とうとう、空気を送り込んでドームをふくらます日がきた。太陽工業で働い ている斉藤さんの父はガンと闘っていた。太陽工業の能村社長は斉藤さんのお 父さんと、ドームからはなれたビルの屋上でふくらまし作業を見守っていた。 だが、ドームの中ではふくらます途中で異様な金属音がひびきだし、屋根の上 に乗っていた竹中工務店の社員たちはその時心配したが、無事成功した。みん な大喜びだった。 ぼくが太陽工業や竹中工務店の社員だったら、この人たちと同じように、完 成するまでがんばりたい。ぼくは、一回やろうと思ったことは完成するまでや らないと気が済まないからだ。 ぼくは、能村社長が社員に言った「志ある者には事遂に成る」という言葉を 辞書で調べた。確固たる志を持つ者は、どんな困難にそうぐうしてもくじける ことがないから、いつか必ず事を成し遂げることができる、と書いてあった。 ぼくはこの言葉で、くじけないようにがんばる人になりたいと思った。 (以上、約1000字) |
< 寸評 >
東京ドームへ行ったことがあるという体験から始めているのがユニークですね。
感想を後ろにまとめているのがいいです。
後はどこをどう直せばよいでしょうか。一層「光る」文章にしてみてください。
『カンナと十二支』は、かんたんに言うと、「ある日、地球の平和を守る仙人様 が眠ったすきに悪魔が飛来してきて、人々をつかまえてどれいにしたり、動物たち を平気できずつけて殺したりした。悪魔たちのやりたいほうだいだった。そこで、 カンナという女の子と十二支の動物たちが、人々をたすけるためにぼうけんをし、 悪魔を追いはらって地球に平和がよみがえる」というお話だ。 私が第一に思ったのは「作者がなぜ、この物語を書いたのか」ということだ。そ れを知りたかったから、あとがきの部分を先に読んだ。私は『星の王子さま』のよ うに、だれかにプレゼントするために書いたのかと思っていた。ところが、作者は こう書いている。「ねずみから始まりいのししで終わる十二支の動物たちを誰が決 めたのか。なぜ、他の動物が入っていないのか。十二支の動物たちの役目は何なの か。なぜ、ねずみが一番でいのししが最後なのか。………」そんなことを考えてい る間にこの本が生まれたらしい。本は人間を楽しませるためにあると思っていたけ ど、この本は「ぎもん」から生まれたのだ。かわいい十二支たちが出てくるおもし ろい作品だ。 おもしろかったのは、悪魔がカンナたちにおそいかかろうとした時、ニワトリさ んたちが「コケ−、コケコッコー」と鳴いたら、悪魔たちが急いで去っていったと ころだ。カンナが、なぜ急いで去っていったのかを聞くと、悪魔たちは、太陽の光 がきらいで、太陽の光がさしてくると思ってにげていったんだと言った。本の中の カンナも、私も大笑いした。 なぜ、ねずみが一番で、いのししが十二番かというと、「ある日、神様が運動会 を開いて、一位から十二位までの動物を十二支にしました」ということだ。これは 私が思ったことだが、作者もそう言っている。私はそのほかにも、なぜ、ねこやた ぬきなどが入らないのかと思ったが、これはねこやたぬきは十三位以下だったのだ ろう。それとも、運動会の日にねぼうしたのだろうか。そんなことが書いてあった 本もあったように思う。 話もおもしろかったが、いろいろ考えることができて楽しかった。 (以上、約900字) |
< 雑感 >
「あとがき」から読んだというのがユニークだ、読み方にもいろいろあるな、それにしても、まともではないな、
と思っていたところ、小3の子が同じように「なぜ作者がこの物語を書いたのか考えると、……」とやっている。
その子のお母さんに聞いてみると、
「塾で、主題をつかみなさい。作者はどういう考えでこの物語を書いたのかを考えるように、と言われている」
ということであった。
これで合点がいったわけだが、これは無茶だ。
作家を研究する人や文芸評論家なら、こんな読み方をするかもしれないが、
当人たちは小学生で、しかも、3、4年生なのだ。読書の楽しみがどこかへ行ってしまっている。
もしかして、こんなことを指導するマニュアルがあるのかもしれないが、
まず、素直に読んでみる、そんな読書指導にしたいものだ。
「DIVE !! 」(ダイブ)という本は沖津飛沫(おきつ しぶき)、富士谷要 一(ふじたに よういち)、坂井知季(さかい ともき)という三人が中心となっ てくり広げられる高飛び込みの話です。主人公の知季は高飛び込みをしている 中2の男子です。飛び込みはあまりうまくなかったけれど、謎のコーチ麻木夏 陽子(なつき かよこ)の出現で、みんなといっしょにオリンピックを目指すこ とになります。飛沫、要一といっしょにさまざまな試練を乗り越え、オリンピ ック選考会で選手に選ばれます。 ぼくがこの話で一番心に残ったのは、一番最後のところです。「FINALSTAGE YOICHI」では、要一は熱があるにもかかわらず、難易率 2.9の「前逆宙返り二 回半蝦型」を完璧に回りきって、90度の角度で入水を決めます。結果は 600.09点で、そこで力が尽き果てます。 「FINAL STAGE SHIBUKI」では、飛沫は難易率 1.9の、ただ飛ぶだけの「スワ ンダイブ」で、のびやかなカーブを描きながら急降下して、シュッと、ノース プラッシュ特有の音をたてて水を切ります。結果は要一と同じ、600.09点でし た。 「FINAL STAGE TOMOKI」では、知季は死にもの狂いで練習をした「前宙返り 四回半抱え型」で臨みます。自分には要一のような実力も、飛沫のような個性 もないけれど、何もないからこそ身軽で、どこまでだって飛んでいけそうな気 がするのです。知季はいつも枠を越えたいと言っていました。大人が作った枠 の中から飛び込みで越えて、自分にしか見ることのできない風景をつかみたい と思っていました。そのための飛び込みで、四回半なのです。知季は軽やかに 台を蹴り、未来へと飛び込みます。一回半、ダイヤモンドの瞳にスタンドのみ んなが映り、二回半、救護室でのびているはずの要一が映り、三回半、家で吉 報を待ちわびている両親が映りました。そして、四回半、だれも知らない、知 季だけの新しい風景が、そのとき、透きとおった枠の向こうにきらりとひらめ きました。結果は要一や飛沫より高得点で、オリンピックに行くことになりま した。 この本は一巻〜四巻まであり、読んでいてとてもはらはらし、最後に大きな 感動が待っています。 (以上、約950字) |
< 寸評 >
初めに四巻という長編の内容を簡単に示し、
次にクライマックスの場面を手際よく紹介しています。
特に感想は述べていませんが、その場面が一番おもしろいと言うことによって、
本の紹介が自然に感想文になっています。
太宰治の『走れメロス』は、中2になるとどの教科書にも登場するが、
翼くんは一足先に文庫本を買ってきて読んだ。
| メロスは、たった一人の妹の結婚準備のための買い物をしに、シラクスの町へやってきた。旧友のセリヌンティウスを訪ねるため、町を歩いていると、町の通りがひっそりしているのに気がついた。老人にわけを聞くと、小さい声で「王様は人を殺します。人を信じることができなくて、初めに家族を、次に家来を、そして、町の人を殺しました。今日は6人殺されました」と教えてくれた。それを聞いて、メロスは激怒して、すぐに城へ入っていった。 メロスはたちまち捕まって王様の前に引き出された。王様に用を聞かれて、「町を暴君から救うためだ」と答えると、王様は「今にはりつけにしてやる」と言った。メロスは「その覚悟はある。ただ、妹の結婚式を見たいから、三日待ってくれ。その間、この町のセリヌンティウスを人質として置いておく」と王様に約束した。二年ぶりにセリヌンティウスと再会してわけを話し、メロスは十里の道を走って村に帰った。妹と花婿を説得して、翌日式を挙げさせ、次の日の朝早く町に向かって走り始めた。しかし、川にさしかかると、昨日の式の途中から降りだした大雨のせいで、橋が木端微塵に跳ね飛ばしていた。メロスはやむを得ず、濁流に飛び込んだ。どうにか向こう岸に着いたが、峠を上りきった所で山賊が現れた。山賊は王様の命令で待ち伏せしていたのだ。メロスは山賊の棍棒を奪って三人を倒し、一気に峠を駆け下りた。ところが、体力が限界となり、その場に倒れてしまった。まどろんでいると、もうあきらめようかという気持ちになった。しかし、足元に流れる水音に目が覚め、それを飲むと元気が回復し、メロスは再び走り出した。 刑場ではセリヌンティウスが絞首台の上でつり上げられるところだった。メロスはそこに走り込んで叫んだが、声が出なかった。ようやくセリヌンティウスの足にかじりつくと、人々はどよめいた。そして、セリヌンティウスの縄はほどかれた。メロスはセリヌンティウスに「私を殴れ。私は途中で悪い夢を見た。君が私を殴ってくれないと、友の資格はない」と言った。セリヌンティウスは思い切り殴って「私も一度君を疑った。殴ってほしい」と言った。メロスも思い切り殴った。それを見た王様は、人を信じることの大切が分かって「自分を仲間に入れてほしい」と言った。 この話を読んで、一番印象的だったのは、メロスがとても純粋なことです。王様が悪いと知ると、激怒して、すぐにお城へ入っていきます。また、町へもどる途中、眠りかけて一瞬約束を破ろうとしますが、そのことを正直に白状します。 お城へ入っていったことについて、ふつうの人なら王様を恐れてそんなことはしません。でも、メロスにとっては自分が死ぬことよりも、正義のほうが大切なのでしょう。 自分が約束を破ろうとしたことについても、黙っていれば分からないのに、正直にセリヌンティウスに話し、その罪滅ぼしのために自分を殴れと言います。それを聞いてセリヌンティウスも、メロスはもどってこないのではないかと一度疑ったと白状します。 この本を読んで、自分が正直であれば相手も正直になり、それによって互いの信頼関係がますます強くなるということが分かりました。悔いのない生き方をするには正直が一番だということも分かりました。 (以上、約1200字) |
翼くんもまた、正直に感想を述べている。
話の筋をしっかりつかめば、感想は素直に出てくるという例である。
なお、あらすじ部分と感想部分は、それぞれ常体と敬体できちんと仕分けられている。
夏休みも終わりごろになると、このホームページへのアクセス数はぐんと跳ね上がって、
1日当たり1,000を超す。大いに参考にしてほしい。
だが、時間がないからといって、丸写しするのだけは止めよう。
筋をしっかりつかみさえすれば、感想は自然に出てくるものだ。
それは、他のだれの考えでもない、君自身の感想なのだ。
